読みやすいフォントを見つけるアンケートの結果

じぶんフォントプロジェクトが「読みやすいフォントを見つけるアンケート」を始めてから、5000件を超える回答が集まっています。たくさんのご協力をいただきましてありがとうございます。
2022年9月26日~11月18日の間にいただいたアンケートを集計し、どのようなフォントが、どのような人に読みやすいと選ばれたかを分析しました。分析の概要を「回答いただいた方のグループ」「選ばれたフォントの割合」「読み書きの特性ごとに選ばれたフォント」についてご紹介します。

回答をいただいた方の属性

女性が多く、全体の約74%でした。子育て世代の女性からの関心が高かった可能性が考えられます。

全体で選ばれた「読みやすいフォント」

アンケートで読み比べていただいたのは7種類のフォントでした。

内訳は3種類の「じぶんフォント」の他に、丸ゴシック体、明朝体、角ゴシック体、UDゴシック体です。
その中で「秀英丸ゴシック」が約35%、「じぶんフォントはっきりまるご」が約25%の回答者に最も読みやすいと判断され、全体の6割を占めました。
他のフォントを読みやすいと答えた人の数はほぼ同じくらいでしたが、一人ひとりにとって読みやすいフォントが異なることがわかりました。

読みやすさを比較した7書体の一覧

読みやすさを比較した7書体の一覧

読み書きの特性によって「読みやすいフォント」

次に、読み書きの特性ごとの読みやすいフォントが異なるかどうかを分析しました。
読み書き困難がない人と比べて、ある人の方が「じぶんフォント」を読みやすく感じることが分かりました。
特に、読み書き困難があり、かつ、文字が動いてみえるなどの視覚的な症状がある人は「じぶんフォント どっしりまるご」や「じぶんフォント すっきりまるご」を好むことが分かりました。このグループでは、明朝体を読みやすいと感じる人がより少ないことも分かりました。

引き続きアンケートへのご参加をお待ちしております

アンケートは引き続きご参加いただけます。まだ回答いただいていない方は「読みやすいフォントを見つけるアンケート」からご参加ください。

本アンケート分析結果の詳細は、下記の朱助教の学会発表をご参照ください。
朱心茹「読みやすい書体と読み書き状況の関係:ウェブ調査に基づく分析」情報処理学会第85回全国大会, 2023年3月.
スライド
発表要旨

書体研究に関心のある方、今後の研究に協力いただける方は、朱助教のプロジェクトページもご確認ください。

「じぶんフォント」の今後にもご期待ください

じぶんフォントは「研究開発」と「実用化」を進めることで、新たな課題を解決しながらバージョンアップしていくエコシステムを目指します。利用シーンを広げ、2030年に向けて「誰一人取り残さない」社会の実現を目指します。

今後とも「じぶんフォント」へのご期待・ご支援をお願いいたします。

今後のじぶんフォントのロードマップのイメージ図